2017年12月13日、オージス総研殿(東京 品川)にて「アジャイル開発事例セミナー」が開催されました。これは、当協議会のアジャイル開発部会(主査:中原俊政(東京情報大学非常勤講師)が、アジャイル開発の事例を通じて、皆様方に、アジャイル開発におけるモデリング適用の効果についてご理解を深めていただくこと、また、部会活動として、「アジャイル開発でのUML適用ガイドライン」のエンハンスに役立てることを目的として開催したものです。
最初に株式会社オージス総研原田巌様よりアジャイル開発についてのミニ講演をいただきました。開発現場でのご自身の経験に基づく話で、アジャイル開発での問題や疑問にどう対処していくべきかを分かり易くご紹介いただきました。
次に、「ドメイン駆動設計基礎講座〜戦略編〜」と題して、ChatWork株式会社 加藤 潤一 様にご講演いただきました。
講演では、なぜドメインを重要視すべきかの話しからスタートし、ドメイン駆動設計(DDD)についてご説明いただきました。DDDを実践する意義としては、開発者の視点だけでなく、ビジネス側の視点を踏まえたソフトウェアを作れるようにすることとのことでした。次に、ドメインモデル例のご紹介と、その有用性についてご説明いただきました。ドメインモデルがないと、システムの複雑さに圧倒されるとのことです。ソフトウェアの核心は、ドメインにあり、すべてドメインモデルによって駆動する考え方がドメイン駆動設計とのことでした。モデリングの事始のお話しもしていただきました。最初は知識の噛み砕きから始め、会話を繰返すことで、何が重要で、何が不要か、が分かるとのことです。
アンケートでは、「ドメイン駆動の重要性が認識できた」「DDDについては初めてのセミナーだったが、自分としてはとてもイメージすることができた」との声を頂戴しています。
次に、原田様をモデレータ、加藤様をパネラーに、皆様からの質問をベースにパネルディスカッションを開催いたしました。
非オブジェクトプロジェクトでDDDは適用可能か?との問いには、概念モデルだけでも使って、客と対話する。日常の用語から入ることとのことでした。
一緒に働くメンバーにどこまで求めるか?との質問も出ました。いきなり結果を求めるのではなく、「お客様の言うことをモデル化」→「お客様に確認」→「メンバーによる確認」の繰り返しで、地道に教育していくことが必要とのことでした。
その他、沢山のご質問を頂戴し、議論が交わされましたが、紙面の関係で割愛させていただきます。ご容赦ください。
アンケートでは、「具体例が聞けてとても参考になりました。参加してよかったです」「色々な話が聴けてよかったです」など多くの満足の声を頂戴しました。ありがとうございました。今回ご参加できなかった皆様、次の機会には、是非ご参加いただき、生の声をご参考にしてください。
講演資料は下記にて閲覧できます。
『モデリングを使用したアジャイル開発プロセス』
『ドメイン駆動設計基礎講座』
UMTPでは今後も情報モデリング及びソフトウェアモデリングに関する技術解説や最新情報のご提供を通じて、我が国のモデリング技術の普及とモデル共有に向けた活動を展開してまいります。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
皆様の益々のご活躍お祈り申し上げます。
2018年3月