2023年11月22日(水) 10:30~20:00
第一部 10:30~18:20
10:30~10:40 開会宣言
⼤会委員⻑ 国⽴情報学研究所 名誉教授
淺野 正⼀郎 ⽒
10:40~12:00 基調講演1
「⽣成AI とソフトウェア開発」
MF2023基調講演1「⽣成AI とソフトウェア開発」資料
<概要>
2022年末のChatGPTの公開によって、⽣成AIの応⽤が様々な分野で始まっている。ソフトウェア開発に対してもそのコーディング能⼒などが注⽬を集めてきた。
しかしソフトウェア開発の分野における⽣成AIの応⽤はコーディング部分に限定されるものではない。
マイケル・ジャクソンが著書「ソフトウェア要求と仕様」の中でも記したように、ソフトウェア開発は「記述の技術」でもある。⽣成AIの本質が記述そのものである以上、その役割は決して⼩さくはない。
本講演では、直接的なコード⽣成の話題だけではなく、要求〜仕様〜実装〜保守に⾄るソフトウェアのライフサイクル全体を眺め、その各段階に対する⽣成AIの役割と可能性を紹介する。
<登壇者>
有限会社デザイナーズデン代表取締役社⻑
酒匂 寛 ⽒
<プロフィール>
東京⼤学農学部畜産獣医学科卒。1980年代初頭にソフトウェア業界に就職したことから、ソフトウェア開 発とコンサルティングの道を歩む。⼤規模な事務処理系のソフトウェアや、組み込み系と呼ばれる⼈の⽬ に直接触れないソフトウェアを多く⼿掛けてきた。
また1990年代までは開発ツールとオブジェクト指向、 21世紀になってからはこれに加えて形式⼿法を中⼼に扱ってきた。 主なテーマは開発における情報の整理と共有、検証と正しさの担保。
最近の興味は専⾨的作業に対する⽣ 成型AIの活⽤。 並⾏して専⾨書籍の翻訳を⾏ってきた。
主な訳書は「オブジェクト指向⼊⾨」(翔泳社)「ソフトウェア 要求と仕様」(SIBアクセス)、「作ることで学ぶ」(オライリー)、「ライフロングキンダーガーテン」 「教養としてのコンピューターサイエンス講義」(⽇経BP)など。
12:00~13:05 昼休み
13:05~14:25 基調講演2
「君たちはどうプログラミングするか 〜時代の変わり目にこれまでを見つめ直す〜」
MF2023基調講演2「君たちはどうプログラミングするか 〜時代の変わり目にこれまでを見つめ直す〜」資料
<概要>
2023年初頭 (拙著「ちょうぜつソフトウェア設計入門」が出版された直後) から、生成 AI によって、ソフトウェア設計という行為への捉え方に、大きな変化がもたらされそうな気配が急激に高まってきました。
拙著で取り扱った 20 年前の時代感を中心として、プログラミングの半世紀をいま再度簡単にとらえ直し、変わっていく事と、変わらない事について考えてみます。
<登壇者>
(株)ことば研究所・所長
田中ひさてる 氏
<プロフィール>
「ちょうぜつソフトウェア設計入門」の著者。気まぐれにイラストを書き出したら、 いよいよ絵描きとして引き返せなくなってきました。正体は、ここ30年ほどの間、 時代の時々で何かしらプログラミングを書いてきた者です。
社外のコミュニティ活動としては、PHP関連のものによく参加しています。
14:25~14:35 休憩
14:35~15:15 技術講演
「生成AIは要求エンジニアリングを変えてしまうのか!?」
MF2023技術講演1「「生成AIは要求エンジニアリングを変えてしまうのか!?」資料
<概要>
ChatGPTの出現によりすっかり市民権を得た生成AI。
これをシステム/ソフトウェアエンジニアリングに応用する様々な試みがなされているのはご承知のとおりで、組込みソフトウェア分野も例外ではありません。
当社では生成AIを応用した要求エンジニアリングサービスをローンチすべく現在試作開発を進めています。
本講演では実際に開発者が試行錯誤して得た知見や活用法について紹介すると同時に、生成AIの活用にまつわる今後の課題や展望についても語ります。
<登壇者>
株式会社エクスモーション コンサルティング本部 コンサルタント
内田 圭 氏
<プロフィール>
自動車メーカー様のエッジ/クラウドに関するシステム開発全般をご支援するとともに、要求仕様書作成に関するトレーニング講師、スクラムの運営改善などにも力を注ぐ。
前職までのNECグループでの各種システム開発、トヨタ系サプライヤーでのECUソフトウェア開発で得た幅広いICT技術と経験を武器にお客様をご支援する傍ら、生成AIサービスのプロダクトオーナーとしても働くエクスモーションのなんでも屋さん。
15:15~15:55 技術講演
「概念モデリング自動化に向けた第一歩」 ~ ChatGPT・Open AI 活用による開発対象のモデル化
<概要>
”開発対象を記述する”為の妥当な手段が”モデル化”であり、概念モデリングは、現実世界をモデル化する為の有効な手段です。 昨今のビジネスで必須の Digital Transformation や Digital Twins は、現実世界の様々なモノ・コト・役割をデジタル空間上に再現するのが基本であり、概念モデリングの重要性は非常に高まっています。より具体的には、xtUML(旧称 Shlaer-Mellor 法)をベースとし、私の長年の経験を基にリファインした”概念モデリング技法<https://note.com/kae_made/m/m054c9f9f8b61>”が有効です。この技法で概念モデルを作成すれば、クラウドサービス上で動作するほぼすべての実装コードを自動生成<https://note.com/kae_made/m/md806463fb58a>することも可能です。
しかし、実用可能なレベルの概念モデルを作成できるスキルを身に着けるのは、残念ながら容易ではない事は、30年来の経験で判っています。 一方で、ChatGPT をはじめとする一連の Open AI 系の性能を目の当たりにし、これらを活用すれば、開発対象そのものに関するドキュメントや図、動画等、様々な入力ソースから、概念モデルを自動生成できる AI が実現できるのではないかと感じています。
概念モデラーの育成活動は続けようと思う一方、概念モデル自動生成ツールがあった方が、世の中全体の利益にもなるのではないかと、思っている今日この頃。 以上を踏まえ、本セッションでは、先ず、現実世界をモデル化する概念モデリングについて、工学的、哲学的、数学的観点から概要を解説し、概念モデルを作成する諸段階において AI の活用可能シナリオを洗い出しを紹介します。洗い出したシナリオの一部を、Azure Open AI サービスを使って概念モデリング支援システムとして実装する試みの紹介をデモを交えながら解説します。
<登壇者>
Knowledge & Experience 代表
太田寛 氏
<プロフィール>
ゲームチェンジャーとして、これまでの実践を経て獲得した知識と体験・経験を元に、”概念モデリング”と”変換によるソフトウェア実装技術”を基盤とする、組込み機器、クラウドサービス、AIに関する幅広い技術コンテンツを公開している。
これらを軸に、技術者を育成しながら、最新IT技術の実プロジェクト導入を実現する、いわば、IT業界の離れ業的、達人である。支援を行う。 1989年から2006年にかけて、OA機器制御ソフトウェアの開発、次世代商品のアーキテクチャ設計に携わりながら、複数拠点複数チームによる大規模組込みソフトウェア開発プロセス改善に携わる。ソフトウェア構成管理を手始めとして、CMM の活用や、Shlaer-Mellor法をベースにしたモデル駆動型開発の実践を通じて、モデリング、アーキテクチャ、設計、エンジニアリングの基礎を習得。
2006年、世界最大のIT企業であるマイクロソフトに転職。技術系エバンジェリストとして、組込みソフトウェア技術者への技術普及啓発を皮切りに、担当技術領域を、PC、スマートフォン、クラウド、AIと広げる。多数の講演登壇、セミナー開催、記事の寄稿をしつつ、IoT ALGYAN、Smart Japan Alliance等のコミュニティ設立や、多くのソフトウェア技術者コミュニティへの寄与により、延べ数万人の技術者にリーチ。2012年から一貫してIoT・Digital Twinsの技術普及啓発・実プロジェクト導入支援に携わり、エバンジェリスト、プロダクトマネージャ、グローバルブラックベルトと役職を変えながら、技術者への最新技術の普及啓発の傍ら、数百の実プロジェクトへの最新IT技術導入支援を行い、経験を積む。
2022年3月に独立し、Knowledge & Experienceを立ち上げ、現在に至る
15:55~16:35 技術講演
「法令指向による行政ITシステムのは開発・保守」
MF2023技術講演3「法令指向による行政ITシステムのは開発・保守」資料
<概要>
登壇者変更により、内容も変更になりました。
<登壇者>
中央大研究開発機構 機構教授/東工大・JAIST名誉教授
片山卓也 氏
<プロフィール>
16:35〜16:45 休憩
16:45〜17:05 ワークショップ開催報告
ワークショップ① 「⽣成AI/⼤規模⾔語モデルと⼈間の関係性を探る(最初のモデリング)ワーク ショップ」
<登壇者>
豆蔵デジタルHDグループCTO/IPA主任研究員/UMTPモデリング・アンバサダー
羽生田 栄一 氏
ワークショップ② 『ドメインモデリングの強力なツール: Event Stormingを体験しよう』
<登壇者>
株式会社オージス総研 技術部ビジネスイノベーションセンターア ジャイルコーチ/UMTPモデリング実践部会 主査 株式会社 オージス総研
原田 巌 氏
17:05〜18:10 特別講演
「⽣成 AI の根本原理とは︖ ― ⾼次元ワールドは呪われているか︖ ―」
MF2023特別講演「⽣成 AI の根本原理とは︖ ― ⾼次元ワールドは呪われているか︖ ―」資料
<概要>
生成系の AI は、人が言葉で与えた指示にしたがって絵を描いたり、言葉で与えた質問に対して言葉で答えを返したりして、ありきたりな計算の コンビネーションではそう簡単にできそうにないことができてしまっています。 では、振り返って、いったいどのような技術的な障壁を突破したのでしょうか。 その鍵は、画像や言葉の意味を高次元のベクトルで表したことと、その高次元空間における概念の分布形状が把握できたことにあると考えられます。薄っぺらくてひん曲がった概念の形や「次元の呪い」について解説します。
<登壇者>
小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)
<プロフィール>
ラーメン屋の企画に乗っかったのがきっかけで2011年よりセーラー服を着て出歩くようになる。目撃情報がネットで拡散し、ネットニュースやテレビで取り上げられ、イベントや映像に出演するようになる。
本業は印刷会社に勤務。情報処理系のソフトウェアエンジニア。
興味の中心にあるのは意識の謎と AI。 アイデンティティ拡散。
18:10〜18:20 L3.L4の説明&パネルの案内。(仮)
<登壇者>
ジャパンシステム株式会社/UMTP経営委員
吉田 裕之 氏
第2部 18:30〜20:00
パネル討論会「(仮)ソフトウエア開発と生成AI」
1)生成AIを使うことでソフトウェア開発はどう変わるか
2)生成AIはなぜ言語やコードやモデルがうまく扱えるのか その可能性と限界
3)生成AI時代のエンジニアの在り方 若いエンジニアの皆さんへのメッセージ
<司会>
豆蔵デジタルHDグループCTO/IPA主任研究員/UMTPモデリング・アンバサダー
羽生田栄一氏
<パネラー>
有限会社デザイナーズデン代表取締役社⻑
酒匂 寛 氏
Knowledge & Experience 代表
太田 寛 氏
小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)
(株)ことば研究所・所長
田中ひさてる 氏