2024年08月27日夜、オンライン(Zoom)にて「モデリング活用のためのモデリング実践セミナー」を開催いたしました。
このセミナーは、当協議会のモデリング実践部会(主査:原田 巌)が、参加者全員が勉強会でモデリングを実践することでモデリングの効果を体験・理解しシステム開発の現場でモデリングを活用できる人を増やすことを目的に実施したもので、関係者含め62名に参加いただきました。
はじめに、モデリング実践部会 原田 巌から、UMTP、UMTP認定試験、モデリング実践部会のご紹介と本セミナーの主旨をご説明いただきました。
次に、株式会社東芝 長岡 武志様から「ソフトウェア設計・開発の効率化に向けた生成AI活用の実践」と題して、以下の内容でご講演いただきました[1]。
(1)生成AIの概要の解説
ユースケースシナリオから生成AIを用いてクラス図やシーケンス図のモデルを作成するデモを交えてご解説いただきました。
(2)東芝で実施しているソフトウェア設計・開発の効率化の取組みのご紹介(図1)
設計を段階的に詳細化・モデリングしながら最終的にアプリケーションソースコード一式を開発するといった一連の作業を、生成AIを用いて自動化した活用例について、ECサイトのアプリケーション開発をモチーフとしたデモを交えてご紹介いただきました。
参加者からは、「使用する生成AIエンジンについて」、「東芝ならではのノウハウをプロンプトに与える方法」等、多くの質問が寄せられました。
続いて原田 巌をファシリテータとして、参加者全員で生成AI(ChatGPT)とコードベースのUML描画ツール(PlantUML)を使って「ふるさと納税」をチームで一丸となってモデリングするワークショップを以下の流れで実施しました。
(1)ワークショップの実施内容の説明
(2)数名ずつのグループに分かれ、ChatGPTとPlantUMLを使ったモデリングに挑戦
ChatGPTに指示を出しUMLを繰り返し生成させ、より洗練されたモデルにしていくことに取り組みました。ChatGPTへ指示を与える際は、長岡様からご紹介いただいた生成AI活用時のテクニック(図2)を早速活用しました。
(3)各グループからワーク結果を共有
(4)長岡様からご講評
- 最終的によいモデルが生成できた段階で生成AIに「そこに至るまでにやりとりしたプロンプトを要約させる」、「このモデルを生成するためのプロンプトを逆生成させる」というような使い方が見られ、興味深かった。
- 生成AIの出力を修正しようとプロンプトを変更しても、なかなか意図通りにならないことがある。そんな時「なぜそうしたのか」と生成AIに問い、プロンプトを修正していたグループがあった。良い方法だと思う。
最後に、より良いモデリングを追求していこうと皆で志を新たにし、閉会となりました。
なおアンケートでは、ご講演、ワークショップでそれぞれ80%以上の方にご満足いただけました。
「ご講演が具体的な内容で有意義だった」、「ご講演とリンクしたワークショップで生成AIを使ったモデリングを体験でき、さらに理解が深まった」とのご意見をいただく一方で、「会議システムやオンラインホワイトボードの操作に慣れる時間を組込んで欲しかった」とのご意見もいただきました。
今後の参考にしていきます。
[1] 長岡様ご講演資料は以下からダウンロードできます。
ソフトウェア設計・開発の効率化に向けた生成AI活用の実践(配布用)
UMTPでは、モデリング技術の普及・展開と実践の機会の提供として、今後も同様のセミナーを継続していく予定です。
今回参加できなかった皆様、次回は是非参加し、更にモデリング技術を高め、いずれはL4認定という頂点をめざしてください。