第1回UMTPモデリング技術セミナーは、「UMLモデリングの本質」や「UMLモデリング入門」など多くの著訳書を持つ、エクサの児玉公信氏を迎え、モデリングの本質と課題について講演していただきました。セミナーへの参加者は57名で、半数以上は現在UMLを使った開発案件に取り組んでいるモデリング技術の実践者の方々でした。
セミナーでは、特に「システムアプローチ」「システム思考」の考え方を強調されていた点が印象的でした。「問題はシステムの弱いところに現れているだけであって、原因がそこにあるわけではない」、こう話す講師の言葉には、
・システムは、その構成要素同士が相互作用して、全体が部分の合計以上の機能を発揮するもの。
・現状(As-Is)システムを徹底的に分析して、階層分解した構成要素から不具合が起こった原因を除去しても、問題は解決されない。
という重要なメッセージを含んでいます。
また、ではどうすれば良いか、ということでは、単にUMLでモデルを表現すればよいのではなく、
「システム思考」、「もの・こと分析」「業務フロー図」「データフロー図」などの有効な活用についても紹介していただきました。
しばしの休憩を挟んでセミナーに続て行われたワークショップでも、講師とモデリング技術部会のメンバと
活発な議論が行われ、これから「モデリング」を考えていく上での対象の見方や「モデリング」そのものの考え方について、
示唆に富む多くのヒントをいただきました。
第1回目の企画は、セミナーに参加した聴講者にも、またその後引き続き議論
に参加したモデリング技術部会のメンバにとっても、大変有意義なものとなりました。
講師の児玉様、そしてセミナーを盛り上げてくれた参加者の皆様、どうもありがとうございました。