
2026年11月25日(水)第1部 10:00~17:45
10:00〜10:10 開会宣言
10:10〜11:30 基調講演1
「モデルの意味を考える — 認識の理論とカテゴリー論」
<概要>
まず、今年2026年に起きた「AIが数学の問題を解き始めた」という大きな変化の話をしたいと思います。この変化はAI技術の現在の到達点を示す重要なものだと考えています。
このAIの進化の問題は、「モデルの意味」の問題に深く関連しています。
講演の後半では、認識の形式的理論として、カテゴリー論を考えることができるという話をしたいと思います。
<登壇者>
一般社団法人 MaruLabo 代表理事
丸山 不二夫 氏
<プロフィール>
これまで、JJUG・日本Androidの会・Cloud研究会といったオープンソースのITコミュニティの活動に参加してきました。また、「マルレク」セミナー・YouTubeチャンネル「Maruyama Lectures」を通じた情報発信を行ってきました。

11:30〜11:40 休憩
11:40〜12:30 技術講演
AI時代に、私たちは何を設計するのか – 実装からスペック·ハーネスへ、設計対象の変化を考える
<概要>
ソフトウェア工学は、巨大化・複雑化するシステムを人間が扱えるようにするために進化してきました。構造化、モジュール化、クラウド、マイクロサービスなどは、システム全体を人間が直接理解しなくても扱えるように、抽象化や分割の方法を発展させてきた技術です。
一方、LLMは「言語を使った作業を操作可能にする技術」と捉えることができます。ソフトウェア開発では、自然言語、仕様、モデル、コード、テストといった異なる表現の間を柔軟に行き来できるようになり、これまで人が担ってきた詳細設計や実装の一部をAIに任せられるようになりつつあります。
その一方で、何を作るのか、何を守るのか、どのような結果を良しとするのかは、依然として人が設計する必要があります。また、AIが設計・実装する際に参照する知識や制約、利用するツール、評価方法を「ハーネス」として整えることも、新たな設計対象になります。
本講演では、ソフトウェア工学の歴史を振り返りながら、LLMによって設計のどこが変わるのかを整理します。そのうえで、実装からスペック・ハーネスへと設計対象の重心が移る中で、人が担う設計とは何か、そしてモデリングにはどのような役割が求められるのかを考えます。
<登壇者>
Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社)
代表取締役社長 鈴木 雄介 氏
<プロフィール>
Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社)代表取締役社長。1998年よりソフトウェア開発に携わり、フリーランスのITアーキテクトを経て、2008年にグロースエクスパートナーズの創業に参画。エンタープライズ領域を中心に、ソフトウェアアーキテクチャ、クラウド、マイクロサービス、アジャイル開発の導入・変革支援に従事。近年はAI駆動開発やAI時代のアーキテクチャ、要件定義・設計のあり方について取り組んでいる。日本Javaユーザーグループ元会長。クロスコミュニティカンファレンス代表理事。著書に『Cloud First Architecture 設計ガイド』『DXリーダー必修講義 6つのキーテクノロジー』など。

12:30〜13:30 昼休憩
13:30〜14:20 技術講演
モデルを「AIとの共通言語」に ― 問題解決力を高めるDDD
<概要>
AIで実装が速くなった今、「何を作るべきか」を捉える力がより重要になっています。この課題を解く鍵がモデリングです。モデルは「ちょうどいい抽象度」で業務を理解し、人とAIの認識をそろえる共通言語になります。
さらに、モデルと実装をつなぐ手段としてドメイン駆動設計(DDD)が有効です。仕様駆動開発のようなドキュメント駆動の開発でも、モデルが受入基準や設計のインプットになります。
本講演では、AIと壁打ちしながらモデルを深め、実装へつなぐ実践を通して、問題解決力を高めるモデリングの価値と始め方を紹介します。
<登壇者>
株式会社ログラス 松岡幸 一郎 氏
<プロフィール>
株式会社ログラス AI駆動開発チーム所属。AIエージェントを前提とした開発プロセスづくりに取り組みながら、DDDやモデリング、アジャイルなどの実践・発信を続けている。
著書に『ドメイン駆動設計モデリング/実装ガイド』『ドメイン駆動設計 サンプルコード&FAQ』

14:20〜15:10 技術講演
AIと速く作れる時代に、要求と設計をどう確かめるか ーイベントストーミングとSDDの実践ー
生成AIやAIエージェントの登場により、コードを書くスピードは劇的に上がりました。しかし業務システム開発では、速く作れるからこそ「何を作るのか」「この設計で本当に良いのか」を確認するプロセスがより重要になっています。
認識のずれがあると、恐ろしい速度で違うものが出来上がってしまうからです。
本講演では、イベントストーミングで人間同士の業務理解を揃えた上で、仕様駆動開発(SDD)で要件を構造化し、画面モックや状態遷移図といった補助成果物で設計を確かめていく実践プロセスを紹介します。
AIに任せるのではなく、人間が合意した業務理解をAIにも人にも扱いやすい形にしていく、という現場での取り組みをお伝えします。
<登壇者>
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
プロフェッショナルサービス本部 デリバリーコンサルタント
しょぼちむ 氏
<プロフィール>
アマゾン ウェブ サービス ジャパンのプロフェッショナルサービス本部にて、アプリケーションモダナイゼーション領域のデリバリーコンサルタントとして活動。イベントストーミングによる業務理解の整理と、AIエージェントを活用した仕様駆動開発の実践に取り組んでいる。また、AWS Japan の公式 YouTube チャンネルにてドメイン駆動設計をテーマとした配信を実施。著書『いちばんやさしいGit&GitHubの教本』

15:10〜15:25 休憩
15:25〜16:15 技術講演
観測者から当事者へ、AI 時代にドメインへ深入りする知識と技術
<概要>
AIがコードを書く時代、開発者の仕事は実装だけでは終わりません。
求められているのは、FDEに象徴されるように、ビジネスの現場に入り込み、何を作るべきか、見抜き実現する力です。
本トークでは開発者が観測者から当事者へ踏み込み、ドメインへ深入りするための知識と技術を扱います。
人を動かすパワーとその力学、情報を引き出す技術、モデリング技法の出発点としてのイベントストーミング、具体モデリングの不変条件などを通して、ビジネスを理解しモデルへ落とすまでのノウハウをお話します。
AI時代に問われるのはコードを書く力だけではなく、ドメインにどこまで踏み込めるかです。
<登壇者>
なるセミ代表 成瀬 允宣 氏
<プロフィール>
プログラマ。ex-CTO。Findy Freelance顧問。Kimi Ambassador。
カンファレンス等でソフトウェア開発・設計を主軸に講演活動を行っている。
著書『ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本』

16:15〜16:45 技術講演
より良い意思決定を支えるモデリング実践 ― UMLで捉えた業務世界を「動くモデル」へ ―
<概要>
価値提供こそが目的であり、モデリングはそのための強力な武器です。
本講演では、実際の業務を題材に、UMLで捉えた業務世界を、現実との対応を保ったまま「動くモデル」へ育てる実践を、クラス図と動画で紹介します。
実データによる可視化や、暗黙知の仮説検証を重ねた現状再現を行い、改善施策を組み込んで未来を試します。複数KPIのトレードオフを踏まえ、お客様・現場と共に施策を練り上げ、人間の価値判断で意思決定へつなげます。
さらに、生成AIとの相互補完と、AI時代に問題解決全体を牽引するDeveloper/モデラーの役割を考察します。
モデルを共通言語、「動くモデル」を共通実験場とする共創を通じ、価値創出への道筋を示します。
<登壇者>
パナソニック ホールディングス株式会社
葉山 悟 氏
<プロフィール>
富士ゼロックス時代、PARCを始めとするXEROXのグローバルな技術交流を通じて薫陶を受け、オブジェクト指向とソフトウェア工学に目覚める。
オブジェクト指向技術とモデリングをライフワークとし、研究開発から商品開発、全社展開、コンサルティング、標準化まで幅広く実践。
パナソニック ホールディングスでは、ソフトウェア工学とアーキテクチャ設計を基盤に、業務プロセスデジタルツインやマルチエージェントシミュレーションを活用した独自の方法論を構築。お客様への価値提供を軸に、社内外の多様な分野の業務変革に適用し、現状把握・未来予測・意思決定支援から実システムの開発・導入、技術移転・人材育成まで実践中。

16:45〜17:15 技術講演
モノレポ化で推進する生成AI駆動開発
<概要>
生成AIを活用したソフトウェア開発の精度・効率を向上させる試みの1つとして、ソフトウェア開発の全活動データを、単一のGit リポジトリで完結させる (モノレポ化する) 取り組みを行っている。ソースコードや仕様書だけでなく、課題、リスク、インシデント等も、データを標準化し、Issueベースで一元的に管理している。本発表では、当社の内製開発で実践している本取り組みについて、生成AI駆動開発との親和性に焦点を当てて紹介する。
<登壇者>
株式会社東芝 総合研究所 デジタルイノベーション技術センター
クラウド・アーキテクチャ推進部 シニアマネジャー
安次富 大介 氏
<プロフィール>
2002年 株式会社東芝研究開発センター入社。以降、ネット家電やデジタルテレビ等の組込み通信技術開発や、これらを束ねるバックエンドの通信システム開発に従事。2019年より、現デジタルイノベーション技術センターのシニアマネジャーとして、IoT基盤システムの開発、当社グループ全体のクラウド活用推進・統制、共通基盤ソフトウェア整備、人材育成を担当。プライベートでは、通信・セキュリティ関連の国際標準化や、オープンソースコミュニティへの貢献も行っている。

17:15〜17:25 シン・モデリング宣言シンポジウム(7/10金)の実施報告
<概要>
昨年のモデリングフォーラム2025で発表された「シン・モデリング宣言」の趣旨と内容を広く知っていただくために、今年の7/10(金)に、「UMTPシン・モデリング宣言シンポジウム」2026年7月10日 15:00‐18:15 を開催し、お陰様で多数の参加者のもとで活発な議論を行うことができました。そこで行われた佐藤 治夫 氏「シン・モデリング宣言の読み解き方」、羽生田栄一氏「モデルとは:モデルのモデル」、そして最後のパネル「AI時代のリベラルアーツとしてのモデリング」(パネリスト:日渡健介氏、石原淳也氏、酒匂寛氏、栗田治氏、モデレータ:羽生田氏)の内容を要約してご紹介いたします。
<登壇者>
豆蔵デジタルHDグループCTO / IPA主任研究員
UMTPモデリング・アンバサダー / UMTP会長
羽生田 栄一 氏
<プロフィール>
オブジェクト指向、モデリング技術、UML/RUP、要求開発、アジャイル開発、パタンランゲージ等のソフトウエア工学全般の実践適用に関するコンサル・教育・啓蒙活動に従事し,後進の育成に努める。
アジャイルプロセス協議会会長,情報処理学会ソフトウエア工学研究会パターンワーキンググループ主査,IPA ITアーキテクト・コミュニティ委員, 経産省DXにむけての検討ワーキングループ委員 等を歴任。現在、IPAアジャイルワーキンググループ主査、モデリングフォーラムプログラム委員長。

17:25〜17:45 ワークショップ開催報告
<登壇者>
株式会社オージス総研テクノロジーイノベーション本部ビジネスデザイン部 / UMTPモデリング実践部会主査
原田 巌 氏

豆蔵デジタルHDグループCTO / IPA主任研究員
UMTPモデリング・アンバサダー / UMTP会長
羽生田 栄一 氏

17:45〜18:00 休憩
第2部 18:00~19:30
パネルディスカッション
『AI時代のドメインモデルを語る~シン·モデリングに向けて~』
<概要>
本パネルでは、技術講演プログラムで講演された、鈴木雄介氏 松岡幸一郎氏 しょぼちむ氏 成瀬允宣氏のみなさんをパネリストに迎えて、羽生田氏がモデレータとなり、AI時代のドメイン駆動開発のあり方、人間の演じるべき役割のシフト、AIと人間の棲み分けと開発組織のあり方、などについて活発に議論したいと思います




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