認定技術者の方からお寄せいただいた、認定試験合格までのお話や、認定取得によって得られたメリットについてのお話をご紹介いたします。
合格者の声
投稿者 | 小島 和也さん |
合格体験談 | 生まれつき両手に身体障害を持つ私は、人よりも早くタイピングすることができません。そんな自分にとって、IT業界で生き残っていくためには、「システム設計」のスキルを高めていくことが必要だと考えていました。
そこで、オブジェクト指向の考え方を元にシステム設計を行うためのツールである「UML」については、システム設計のスキルを高める上で、個人的にいち早く注目していました。 UMLについては独学で身につけ、なんとなく使用していましたが、やはり身体に障害があろうとも客観的に自分を評価してくれる、「資格」という形でスキルの結果を手にしたかったこともあり、UMLモデリング技能認定試験 L2の受験に踏み切りました。 試験については1度不合格となり、つらい思いをしましたが、なんとしてもこの資格を手にしたいと必死にくらいつき、2度目の試験で見事合格することができました! 振り返ってみると、UMLモデリング技能認定試験の内容は、単にUMLの記号・図としての意味を覚えるというものではなく、そうしたツールをいかに正しく、意味のある形で活用することができるかという点に重きを置いており、スキルアップに大変役立てることができたと思います。自分にとっても、大きな自信となりました。 UMLというものについては、今後のシステム開発の現場においては、大変重要なスキルとなってくるであろうと思います。実際に数年前、中国の関連会社にシステム開発を依頼した際、文章でも電話でもこちらの伝えたいシステム要件が伝わらずに困っていた際に、私がシーケンス図を描いて送ったところ、ようやく要件が伝わった、という事例がありました。このようにシステム開発の現場では国際化が進んでいます。UMLの浸透は必須のものとなってくるであろうと考えます。 現在私は、システム開発の現場から、社内教育担当と立場が変わりました。しかし、UMLモデリング技能認定試験により身につけたスキルは変わりません。現場のみなさんに、正しく、意味のあるシステム設計を根付かせていくためにも、UMLというツールをしっかりと活用していきたいと思います。 この度は本当に良い経験をさせていただきました。 以上 |
その他 |
投稿者 | 植田 一樹さん |
合格体験談 | 私がUMLモデリング技能認定試験 L2(以下、UMTP認定試験)を取得したのは丁度3年前になります。その頃、社内で設計書の統一化が課題とされていたこともあり、これを機にとUMTP認定試験の受験に踏み切りました。
今までの設計書は、自由に作成されていました。それぞれのプロジェクトで、その都度分り易いように思考を重ねて作られてきたものではあるのですが、『標準化』という意味では統一性のないものが出来上がっているのが現状です。 UMLは今後SEには必須となる知識であると思っています。中には設計内容は知らなくても良いという人がいるかもしれませんが、お客様の要望に迅速に応える為にはコーディングまで出来なくとも設計書を読む力は必要です。 以上 |
その他 |
投稿者 | Yさん |
合格体験談 | 私がL2を受けようと思ったのは、自部署に異動になった人にL1の受験をするよう言われていたのがきっかけでした。 私は既にL1の資格は持っていたので「じゃあ、自分はL2の資格を取ってみよう」という軽い気持ちからでした。 不況の折、全社的に残業に規制がかかり、時間に多少余裕ができたのも幸いしました。勉強していく中でわかった事はUMLはそれだけ知っていてもあまり役には立たないという事です。でもUMLはさまざまな設計手法に適用することができるので、これまでよりもワンランク高い視点に立った設計が可能であることがわかってきました。 受験勉強は興味深く、新鮮な気持ちで取り組むことができました。とはいえ家族が寝てから時間を作っての受験勉強は思いのほかはかどらず、勉強を始めてから受験本番までにはかなり時間がかかってしまいました。 受験の結果は決して納得いく点数ではありませんでしたが、何とか一発で合格することができました。 会社ではUMLへの機運は高まりつつありますが本格導入までには至っておらず、今すぐこの能力を発揮することはありません。しかしUMLは今後必要な技術となっていくでしょうからいずれ役立つ時がくると思います。 それよりL2の資格を取ることで自分自身のソフト設計の視野がぐんと広がった気がします。これまで気持ちの中では敷居が高くて手を伸ばすことがなかった本も手に取るようになりました。 今はL2の勉強の中で知ったデザインパターンについての本を読んでいます。以前なら途中で投げ出していたかもしれませんが、何とか読むことができています。L2を通して自己を高めるきっかけができたのは本当に良かったと思っています。 |
その他 |
投稿者 | 宮崎 崇さん |
合格体験談 | オブジェクト指向で設計できるというのは、具体的にはどのようなことなのか。 自分が初めてオブジェクト指向を勉強したとき、これがわからず悩んだ記憶があります。大抵の書籍には「もの」がどうのこうのとか、オブジェクト指向の3大要素である「カプセル化」、「継承」、「ポリモーフィズム」について説明があったりするのですが、正直理解できませんでした。 だからなんでいいのか、なんというか理論が飛躍しすぎてわからない。 これは今から考えると当たり前です。なぜなら、当時はソフトウェア工学のソの字も知らず、もちろん、モジュールの凝集度・結合度、POA・DOA(データ中心アプローチ)も知らなかったためです 。 さて、前置きが非常に長くなってしまいましたが、L3に向けて勉強したことで得をしたことは特に試験範囲であるGRASPパターンを勉強していく中で、「なぜオブジェクト指向が良いのか」と言う原点というか基礎(私が初めてオブジェクト指向を勉強していてわからなかった点)が理解できたということだと思います。個人的には基礎はとにかく重要であると考えています。基礎が理解できないと、応用が利かない(その前に理解できないと思う)し、設計時に判断に迷ったときに間違った決断をしてしまう危険性があると考えているためです。 |
その他 | 個人でオブジェクト指向に関するホームページを公開しています。 私はL3の知識問題の正解率は40%しかなかったので、間違いもあるかもしれませんが、自分がオブジェクト指向を勉強していったときに知らなくて理解の妨げになったもの(凝集度・結合度、POA・DOAなど)は説明を載せるようにしています。 |
投稿者 | 余語 宣明さん (ジャパンシステム株式会社) |
合格体験談 | 私がUMTPL3の資格を取得したのは、L1やL2の資格を取得してからかなり経ってからです。 L2を取得したあと、実際の仕事でUMLの知識を生かそうとしましたが、ドキュメントの一部に試しに使ってみる程度で終わっていて、もっと良い使い方は無いものかと考えていました。 そんな折、ある仕事でUMLを利用しているプロジェクトに関わる機会があり、その中で実際にUMLの有用性を感じることができ、自分の中でも使い方の指針を持つことが出来ました。そこで、もっとモデリングの知識を深めることで、仕事に活かせるヒントを得られないかと思い、その手始めにL3の資格を取得しようと考えました。 L3の認定資格試験は対策用の本などが特に無いため、ネット等で推奨されているモデリング関係の本を使いました。また試験に出題されるOCLについては知らなかったため、これも勉強しました。この勉強が合格にそれほど役に立った訳というではありませんが、勉強を通してモデリングに関する考え方の幅が広がり、UMLについてより興味を持てた事が良かったと思っています。 モデリングについて興味を持ってL1、L2の資格取得で終わっているような方は、何かしら得られるものがあると思うので、機会があればL3にトライしてみて下さい。資格でモデリングのスキルが測れるわけではありませんが、L3まで取得して初めて意味のある資格だと思います。 |
その他 |
投稿者 | tKさん |
合格体験談 | 古い話になりますが、初めてのシステム開発でオブジェクト指向を利用したのは10年以上前になります。当時は UML もなく OMT で、MVCアーキテクチャを使ったUNIXC/S上のXWindowシステムでした。今ほどアーキテクチャという言葉が着目されることはなく、純粋に開発技術として適用していたと記憶しています。
その後、UMLとなりJavaが出てきてからはパターンやアーキテクチャ、UPといったプロセスまで幅広く接してきており、また触れておかないといい仕事ができないと考えています。 そうはいっても、UML自体がシステム開発にどっぷり採用されているのは残念ながらなかなか目にしたことはありません。いわゆる推敲フェーズでシステムのアーキテクチャを固めるとき、現行システムを理解するとき、ドメインを明らかにするときなど、まずUMLを使って見えるようにするなどして、プロトタイプ検証などで主に利用しています。その意味においては、はやりのアーキテクトな役割の方には必須だと思います。 ただ、今後はより上流へこの適用範囲を広げていく、広がっていくのではと期待しています。要求の曖昧さなどは日本語の曖昧さやイメージでドキュメントを書くことにその原因の一端があるように思えます。こういった上流からのアプローチの重要性が増すにしたがって、表現方法としてのUMLと表現するためのモデリング技術がきいてきます。その上流へ自身のキャリアを広げるためにも自身を計るものを得たいと考え、資格取得をめざしました。 モデリング自体の正しさを判断することは難しいです。それゆえにモデリング技術レベルを客観的に知ることもなかなかありません。これまでの経験したことを客観的にみるための資格として、自分自身の経験に一つの価値を見出せたと感じています。 ただ、残念ながら本資格の知名度、認知はまだまだで、自己満足の範囲を超えてはいない・・でしょうか。会社の奨励資格にはなっていますが、それを使って仕事をしているのを見かけることはあまりありません。できるということと、有効性が合致してはじめて価値が認められるので、こういった啓蒙をPMやチームリーダ、さらにはユーザ企業(発注側)に広げていくことが一つのプラクティスになるのではないかとUMTPには期待しています。 最後に試験についてですが、L2までは対策本もあり、問題に対して回答のブレがあまりなく、いわゆる試験勉強で取得できると思います。L3はホームページのサンプルくらいしか参考にできませんでしたが、試験として正しい解答するというのはなかなか難しいように感じました。問題に対し、自分のモデルと回答のモデルとのギャップを捕らえつつ、回答の文脈に沿って検証していくスキルが求められていると思います。そのためには自分でモデリングするだけでなく、いろいろな人のモデルをみることが必要で、そのためにももっと広まっていってほしいと思います。 余談ですが、試験PC環境としてもっと大きなディスプレー、可能なら2画面くらいで設問部と問題やその他の図全体を概観できるほうが思考プロセスが損なわれなくてよいと思います。(場所にもよるのでしょうが・・) |
その他 | 参考文献(いくつか)
UML モデリングのエッセンス |
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