2018年度 L4認定証/Best of Modeler

2018年度L4試験認定取得者およびBest of Modeler of the Year 2018

2018年度のL4認定取得者、小黒登行様(株式会社 豆蔵)に、総会で上野会長から認定証が授与されました。

L4認定取得者、小黒登行様(株式会社 豆蔵)
L4認定取得者、小黒登行様(株式会社 豆蔵)

またL3試験の最高得点者を表彰するBest Modeler of the Year 2018に、松尾圭浩様(株式会社富士通ラーニングメディア)が選ばれ、松尾さんのオフィスで藤原事務局長から表彰状が授与されました。

L3試験の最高得点者、松尾圭浩様(株式会社富士通ラーニングメディア)
L3試験の最高得点者、松尾圭浩様(株式会社富士通ラーニングメディア)

<UMTP L4合格に寄せて(小黒登行)>

この度、L4の認定を頂き、「UMLモデリング」との出会いをつい先日のように思い出します。 当時の私は、工業用の装置を開発・製造・販売する会社で、制御ソフトウェアを開発していました。 20代後半、血気盛んに仕事をしていた折、私の会社にもVisualStudioの波が訪れ、オブジェクト指向で開発が劇的に良くなると期待されたものでした。 しかし、オブジェクト指向技術を使った高機能ソフトウェア開発への期待は外れ、大規模化と混乱が私たちを襲いました。

小規模な製品開発に戻れるわけもなく、ソフトウェア開発のデスマーチが始まったのです。
そんなデスマーチから私を救ってくれたのが、「UMLモデリング」による分かりやすい開発方法でした。

「UML」は表記法です。ソフトウェア開発を分かりやすくする直接の要因ではありません。私を救ってくれたのは「UML」ではなく「UML”モデリング”」だったのです。
モデリングはing形ですから、進めかたが含まれています。
そこには、モノづくりの進めかたの知見が含まれており、それが仕事を楽にしてくれました。
実は、一世を風靡した「オブジェクト指向技術」と称されたJava・VisualStudioなどの「オブジェクト指向プログラミング言語・IDE」や「UML(の表記法)」は、どれもツールであって、モノづくりの進めかたでは無かったのです。
そこにはingである「(オブジェクト指向)”モデリング”」が必要だったのです。
その経験から、より深くオブジェクト指向モデリングを学ぶようになり、多くの人に出会い、多くのことを教えて頂く機会を得ました。
そして、いつの間にか、そういった方々と意見を交換しあい、また人に教えるようになってもいました。

私の昔からの信条の一つに「学問と実践は、車の両輪」があります。
ただ学問として小難しいだけでは実務者には受け入れられませんし、研究室の中だけでは役立たない中途半端な技術になりかねません。
実践からのみ学ぼうとすれば、ほとんどの実務者は、一代で素晴らしい開発方法にたどり着くほど明晰ではありませんので、(私も含め)成果が得られません。

オブジェクト指向モデリングの古いの書籍は、そのほとんどが実践の場を研究室とした学問の成果です。
試験を受けてきて、今のUMTPのモデリング試験は、この要素を引き継いだものだと思います。
未だに、UMLで図を書いても、開発が大幅に改善しないのであれば、モデリングと言いつつ「UML」”表記法”を使って、それまでと同じ開発の進めかたをしているだけかも知れません。

UMTPのL1,L2,L3,L4は、「開発の進めかた」のコアになる能力を段階的に学んでテストしてくれる良いものだと思います。
コアになる能力であって、そこからの外形的な違いは、開発の分野や企業によって異なるので、試験には出ません。ここがまた、うまくできていると思います。
「開発の進めかた」のコアになる部分 -コアとは、基本であり秘伝- これが問われるのがUMTPの試験だと思います。
UMTPのモデリング試験に少しでも興味を持った方、これを段階的に学び、評価を受けられる試験として、おすすめします。

自分自身もまた、これからの日本のため、ingの部分-「モデリング」-を研鑽・伝えていきたいと思いますので、モデリングの学習や試験に挑戦しようとされる方は、いつかお会いできるかも知れませんね。
(株式会社 豆蔵 小黒登行)

<Best Modeler of the Year 2018を受賞して(松尾圭浩)>

この度は、Best Modeler of the Year 2018を授与いただき誠にありがとうございます。
普段業務では、IT系の研修講師を担当しています。UMLについても、2004年から研修コースを担当させていただいており、単に設計書の表記法ではなく、アイデアや考えを整理するために重要であることを日々感じながら,受講生のみなさんにお伝えしています。

特に、2005年から出場し、現在は実行委員も担当させていただいております
「ETロボコン」では、開発の過程で考えたことを、UML等を用いてモデルとして表し、審査員のみなさんに提出するという経験からもモデリングの重要性を実感しています。
今後も、研修講師、ETロボコン実行委員として、教育の観点で少しでもたくさんの方にUMLの重要性と可能性を理解いただけるように取り組んでいきます。

最後になりますが、関係者のみなさまには日ごろよりお世話になり、感謝申し上げます。
(株式会社富士通ラーニングメディア 西日本ソリューション部
ETロボコン関西地区実行委員会 事務局局長 松尾圭浩)