2020年度受賞者 Best Modeler of the Year 2020

2021年5月18日にオンラインで開催した「UMTP2020年度総会」において、<Best Modeler of the Year 2020>の授与が行われました。
2020年度は、井上大輔様が受賞されました。おめでとうございます。

受賞者の声

私はWeb系のシステム開発の仕事をしています。
昨年(2020年)、会社で「ソフトウェア工学に基づいた設計」「オブジェクト指向プログラミング」について力を入れて勉強したので、自分の実力を客観的に測定するために今年(2021年)の1月頃にUMTP認定試験のL1からL3まで続けて受験しました。
その結果、L3試験では年間最優秀成績者となりBest Modeler of the Yearの賞をいただくことができ、ありがたく思うとともに、自信になりました。

これまでの業務経験でシステム設計はそれなりにやってきたので、試験対策の勉強はUMLの記法を確認するくらいで対応できました。
UMLの勉強としては、UMTP基準準拠とされている書籍の
『UMLモデリング教科書』(緑の本)
『徹底攻略UMLモデリング技能認定試験問題集』(黒い本)
『その場でつかえるしっかり学べるUML2.0』
を使いました。
ただし、これらの本は出版が10年以上前と古いせいか、記載されていない内容も試験には出ていた気がします。
設計そのものについて問われるL3試験より、UMLの詳細な記法について問われるL2試験のほうが私には難しかったです。

試験対策のためではなく元々読んでいた本では、
『CleanArchitecture達人に学ぶソフトウェアの構造と設計』
『実践UML第3版オブジェクト指向分析設計と反復型開発入門』
『レガシーコードからの脱却―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス』
あたりが、オブジェクト指向設計におけるSOLID原則やGRASPの考え方の理解に役立ったと思います。

UMTP試験の勉強をして良かったのは、システム設計書等の資料を作成するときの考え方がクリアになったことです。これまでシステム設計の経験がそれなりにあるとはいえ、ずっと資料作成には苦手意識がありました。特に、すべての資料を詳細に書こうとしすぎてかえって理解しづらい内容になりがちだったのですが、今回、体系的にUMLモデリングの勉強をおこなったことで、大まかな要件はユースケース図で表して詳細なワークフローはアクティビティ図で表すなど、粒度による資料の分割を意識的におこなえるようになりました。

今後も、さらに良い設計をおこなえるよう研鑽に励みたいと思います。

井上 大輔